『先輩!』


『……何』


『私、後1ヶ月で先輩を好きにさせます!』


『は……?』


先輩に“好きにさせる宣言”をしてから毎日アピール中です!


そして今日も温度差のある攻防戦をしているのです。


「マジで迷惑」


「それでも来ますからね!」


懲りない私をめんどくさそうに見て、わざとらしい大きなため息をついた後、


今までで見たことないくらいの冷たい視線を向けられた。


「いい加減学べよ。俺はお前のことはっきり言って嫌いだから」


「…っ!」


「好きになんかならねーよ」


「まだわからないじゃないですか!2週間もあるし!」


「たった2週間でどうやって好きになるんだよ。


──────迷惑だから、近寄ってくるな」


先輩に、好きな人に、この気持ちを傷つけられて、


つらくない……はずがない。


けど───


「何がなんでも好きにさせますから!!」


「チッ うざ」


「うざくて結構です!!」 


気持ちが止められるわけないじゃんっ…。


泣きそうな顔を隠すように意地を張り、先輩のいる教室を後にした。