「えっと、とりあえず行こう!平日だからきっと混んでないと思うよ!」


「ほら、桜子に気遣わせたらダメでしょ。藍良」


「俺だけに言うなよ。お前も…」


「まあまあまあ。行こう!行きましょう!レッツゴー!」


2人が自分のことに争っていることを知らずに、場を和ませるように2人の手を取った春乃。


……鈍感。


……いずれかはあいつらのどちらかと付き合うんだろうな。


幼なじみという越えれそうで越えられない境界線をいつか必ず2人は越えるはず。


正々堂々勝負だって、昨日桐谷に言われたけど


俺は出るところ、なしだな。


……邪魔者は潔く引かなきゃな。


1度大きくため息をつき、いつも通り、春乃を含む3人を見送った。


「春乃、じゃあ日曜日」


「はい!日曜日、頑張りましょうね!」


俺の中で見た1番の笑顔な春乃に俺も切ない気持ちを隠すかのように1番の笑みを返した。