「桜子から聞きました。青木先輩には大変お世話になってるって」


「!」


「桜子、いつも部活帰り話すこと先輩のことばっかりでムカつくっちゃムカつきますけど」


「……」


「けど、世話好きでちゃんと厳しい時は厳しい優しい先輩なことここ1週間近く部活の様子見てわかったので、…まぁ、許します」


「そうか…」


ホッとし、胸を撫で下ろす。


「その代わりと言ってなんですが、……正々堂々勝負ですからね」


「!」


「バスケもサッカーもそうでしょ?恋愛も一緒です。先輩だからって譲りませんから。あ、もちろん先輩もハンデなしですよ」


ふんっと気合いを入れるように俺を強い眼差しで見てきた桐谷に、思わず小さく笑うも、


今まで持っていた嫉妬心や嫌悪感がなくなった気がした。