微かに入った2人の会話を盗み聞きのように聞いていたせいか、よそ見をし、3回目のシュートはまんまと的から外れた。


「?キャプテン、珍しく外したな」


「あ、あぁ、悪い」


「ま、たまたまだろうし、練習試合でも頑張りましょ。頼りにしてますよ、キャプテン」


「ありがとな」


やり直しである4発目のシュートを入れた時、2発目と同様、瞬きなんてする暇ないほどすぐに入った。


そして、後ろにいた後輩に目を合わせこう放った。


「お前のことも頼りにしてるからな。1年エース」


「!期待以上に応えてみせます!」


俺とすれ違った時、バコン!と勢いよく入れたかと思えば涼しげな顔をしてシュートをした後輩。


……すげぇ。


エースとはいえ、1年に負けてられないな。


新人戦まで1週間切った今、俺の頭はいつの間にかバスケのことで埋め尽くされていた。