学校に居る間中、宗介は恋を無視した。

 恋は謝罪から喋ってしどろもどろに理由を説明したが、宗介は聞いてくれなかった。

 放課後、今日は別々に帰るんだろうな、と思っていたら、恋の席に、宗介が現れた。


「帰るよ」


 宗介は一言それだけ言うと、鞄を背に歩き出した。


 二人の家が別れる門のところに来るまで宗介は喋らなかった。

 家に入るため、恋が門扉を開けようとすると、その手を宗介が強い力で掴んだ。