支度をした宗介と恋はスーパーへ向かった。

 二人で歩いていくと、空は快晴で、暑いくらいだ。

 飛行機雲が頭上に白い線をつけている。 


 公園を通り過ぎながら、宗介が言った。



「そうそう、そういえば、恋。高校は、知り合いの理事に口を利いて貰って同じところに入るからな。」

「ええっ」



 恋はびっくりして声を上げた。


「だって、宗介の行く学校はトップ校でしょう。逆立ちしたって入れないよ。」


 宗介は腕組みをした。



「大丈夫。もう話はつけてある。懇意にしてる親戚が居るから、絶対に恋を僕の行くところに入学させて貰う。高校で浮気してお前が離れることがないように。」

「……勉強についていけないよ。」

「別に平気、僕が教えるから。大体、お前は全然しないからできないの。ちゃんとやれば最低限はできる。ちゃんとやる。」



 歩きながら宗介は言った。


「単元別に中学のから始めて、順番にやって間に合うようにすれば、トップ校のビリ位には落ち着くだろ。別に成績上げろって言ってない。それで充分なんだから。怯まないでこれから始める。将来の僕達2人のために。いいね?。」

「……。」


 まっすぐ自分を見下ろした宗介に、恋はたじたじで、うーん、と頭を抱えた。