恋は、宗介とカップルになったとはいえ、その実感がまだ薄かった。

 それは2人が幼なじみで昔から付かず離れずなのと、宗介があまりカップルらしくいちゃいちゃするのを好まないせいだった。

 宗介は愛してるとか好きだとかあまり言わない代わりに、時々、大切にする、と口にした。



 朝。

 今日はたまたま宗介の方に用事があって、一緒に登校できなかった。

 制服に着替えた恋は、鞄を持って靴を履いて、行ってきますと玄関を出た。