私やお母さんだと晴翔のゲームの相手は満足にしてあげられないし、サッカーとか野球だって最低限のことしかできない。


だからもしお父さんがいたら、きっと晴翔はすごく喜んだだろうな、ってよくお母さんも言ってるし、私も思う。


だから今日は晴翔にとっては楽しくて仕方ないのだろう。


✳︎✴︎

あれから1時間くらい経っただろうか。


私は勉強の手を止め、時計を見た。
いつのまにか6時前だ。


「晴翔、そろそろ夕飯にするけど何食べたい?」


晴翔と栗山くんがゲームを一時中断して、こちらを見た。
栗山くんだって家の人がいるだろうし、そろそろ帰らなくちゃいけないだろう。


「僕ハンバーグ食べたい!」


「ハンバーグね。ちょっと待って」


冷蔵庫を確認するとお肉も玉ねぎも十分ありそう。