夏休みで土曜日ってこともあって、電車はそれなりに混んでいた。 一度乗り換えをして、乗り換えた電車に乗って、約1時間ーーー。 「おい起きろ、次で降りるぞ」 揺れが心地よくて、いつの間にか寝ちゃったらしい。 栗山くんの低い声に、私は目を覚ました。 「お前すっげー面白い顔で、よだれ垂らしながら寝てたぞ」 真顔で、そう言う。 「う、嘘!?」 眠気が一気に吹き飛んだ。 すごく恥ずかしくて、顔が赤くなるのを感じる。