「おーい花、生きてる?大丈夫?聞こえてる?」


机に突っ伏して動かない私を、中学からの親友である夢ちゃんがゆすった。
私は今強大なダメージのせいで放心状態だ。


「ど、どうしよう夢ちゃん……過去最低得点とっちゃった」


のろのろと顔を上げる。


「なんの教科で?」


「数学と、化学……」


2週間近く前にあった、テスト。
さっき残りの2教科が返されて、先生が解説をしている間、私は自分の答案用紙を放心状態でずっと眺めていた。


そのせいで先生の解説なんか全く覚えていない。


「え、それで何点だったの?」


誰にも、聞こえてないよね…
周囲を確認して、夢ちゃんにささやいた。


「数学36点で、化学32点……」


夢ちゃんは目をぱちくりさせている。


「ど、どうしちゃったの花、どっちも30っんぐっ!」


「こ、声大きいって!」


夢ちゃんの口を慌てて塞いだ。