「よーし、今日は久々に遊びまくろ!」


爺の目が届かないところへやって来ると、伸びをして上機嫌にスキップをした。


辺りを見渡すと、学校とはまるで違う雰囲気が新鮮だった。


「やっべー! コレ、マジ美味い!」


「写真撮ろ! バエるやつ載せて、バズろ!」


楽しげな声で賑やかな雰囲気に心踊るばかりだ。


桜宮学園のように、家柄や礼儀作法に囚われず、自然に楽しく過ごせる。


そんな同い年の子達が羨ましかった。


「アタシも……あんな学生生活を送りたかったな……」


ぼそりと本音が溢れた。


損得勘定ナシで、気が合う子と気遣うことなく関わりたい。


それは、結の中に根強くある願望だ。