「えっ……あ、ありがとう、ございます?」
「なんで疑問系? とっても素敵な名前だと思うよ」
クスクスと笑われると、恥ずかしさも合いまり恥ずかしくなった。
少し世間話をしたところでお湯が出来上がると、アンティークなティーカップにティーバッグを入れてお湯を注いだ。
「はい。どうぞ」
「え、あ、ありがとうございます……あっ、でも」
結は、鞄を車の中に置いてきてしまった。
その中に、財布も入っている。
つまり、今の結は一文なしなのだ。
「アタシ、お金を持ってなくて……」
「良いよ、僕の奢りだから。あと、たしか……新作のデザートが冷蔵庫にあるから、感想を聞かせてほしいな」
そう言うと、業務用の冷蔵庫からガラスの容器に入ったプリンを取り出した。