「お休みのところ申し訳ない。実は、この娘を探しておりまして……こちらを訪ねてはいませんか?」
やはり、爺だ。
どうやってこの場所を調べたのか。
緊張で心臓がバクバクと脈を打ち不安でいっぱいになった。
爺が、男に制服姿の結の写真を見せると、じっと写真を見た。
「……可愛らしいお嬢さんですね。一度見たら忘れなさそうだけど、残念なことにまだお会いしたことはありませんね」
「そうですか……この辺りに走って行ったのは見たのですが……。まったく、あの逃げ足の速さはどこで覚えたのか……」
爺が大きなため息を吐いた後に「お忙しいところ、失礼しました」と言い店を立ち去った。