「え、えぇっ!?」
驚いて声を上げるしかなかった。
結は、突然お姫様抱っこをされたのだから。
「よく分からないけど、逃げてるんだよね? それなら、乗りかかった船だ。僕も協力するよ」
イケメンの協力的な態度に驚いている隙に、結は室内へ運ばれた。
どうやらここは、カフェのようだ。
男がカウンターの中に結を運ぶと、机の下にそっと座らせ「ここで待ってて」と口元に指を当てイケメンは立ち上がった。
そして、すぐに店の扉が開き、鈴の音がカランコロンと鳴った。
「お客様、申し訳ないのてますが本日は定休日となっております。恐れ入りますが、お引き取り願えますか?」
イケメンが、物腰柔らかく言うと聞き覚えのある声が聞こえた。