「いっ……たたた……」
突然の痛みに、涙が溢れそうになった。
擦りむいた箇所を手でパッと払うと、結の上に人影が被さった。
「大丈夫ーーですか?」
落ち着きのある優しい低い声。
声の方を見上げると、困り顔のイケメンが立っていた。
「えっ、あ、えと……」
「結様ーっ! どこにいるのですかーっ!」
「っ……!」
イケメンの問いに答える間も無く、爺の声が近くなった。
ビクッと肩を跳ね上げ、パニックに陥った。
(ど、どうしよう……! 爺に見つかっちゃう……! でも、もう逃げられない……!)
覚悟を決め、俯きぎゅっと目を閉じたが突然体がふわっと宙に浮いた。