「なんでよぅ」
と、女は布団の中で呟く。
「あーもう、ムカつく!」
と、女は再び布団を床に投げつける。怒りの矛先は自分自身だ。なぜもっと告白する前に下地を固めなかったのか、なぜ自分に魅力がないのか、なぜ……なぜ。
そして一時間が過ぎ八時となった。だが、女は一向に部屋から出ようとはしない。それどころかもう熟睡していた。理由は簡単だ。暴れ疲れた、泣きつかれた、どちらかは本人でさえわかってはいないが、そのどちらかだろう。
「あら」
親も部屋に行くが、寝ている彼女を見るとすぐにリビングへと帰っていった。