本当はもう少しここに居たい。出来れば眠ってしまいたいくらい、睡魔に襲われている。

女学校の課題の忙しさと家のお手伝いで睡眠を削られていて、ここ何日かまともに眠れていない。


「そうですか。あの、もしよろしければもう少しだけ時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

「えっ…!?でも……」

「ほんの少しでいいので」

「分かりました。少しだけなら」


そして充さんは急いで店の奥へと走っていった。再び椅子に座り、彼が戻って来るのを待つ。

あんなにに必死にお願いされちゃ断りきれない。幸い、屋敷までの近道は知っているから時間内に帰れないこともない。


「失礼します。お茶をお持ちしました」

「あ、ありがとうございます」