川沿いを歩いていて少し冷えた身体はお日様によって温まっていく。

眠気に誘われて目を閉じかけた。必死に堪えようとするがすぐに負けそうになる。


「お待たせしました。桜餅です」

「…あ!すいません、あまりにも心地よくて」

「いいんですよ。気持ちは分かります。私もよくここで居眠りをして怒られますから」


チラリと中にいる朧さんに視線を向けてると、呆れられた目をされていた。充さんは苦笑するも、なんだか楽しそうだった。


「あはは。…よく見たら目の下に隈が出来てますね。良かったらもう少し休んで行ってください」

「いえ。せっかくのお誘いは嬉しいのですが、早く帰らないと家のものに叱られますので…」