「え!?何ですかっ、モデル…って何!?」

今まで誘われたことない言葉に目をぱちくりして聞き返した。

モデルもわかんないけど、専属はもっとわからない!俺の専属モデルって何!!?

「俺が変えてやるよ」

「何を!?」

「決まりだな」

「やるなんて言ってませんけど!」

さらにぎゅーっと手を握る、勝手に既成事実だけ作られたみたいな。

「よろしく、ナノ」

「!?」

ぎゅぅっ、と背中に回された手が温かい。背が高いからぼすっと胸の中に収められちゃうみたいで。


…抱きしめられてる?

「え、ちょっ」


「「「「「いやぁーーーーーーーーーーーーっ」」」」」


私の声はその瞬間、悲鳴を上げる黄色い声たちに掻き消された。さっきまでキャッキャ言っていた女子たちの声色が嘆いて恨んで悲しんで私を見て来るから…


待って!ちょっと待って!

それを言いたいのは私も一緒だから!!


って言いたいのに騒がしい女子たちのせいで全然声がと届きそうにない。

しかも…えっと誰だっけ?
確か、田所…はニコッと笑うだけでいっこうに私の手を離してくれないし!

なんでこんなことになってるの!?

全然わからないんだけど…!!?