少しばかりじゃなかった、めいっぱい首を直角に曲げるぐらい上を見なきゃ顔が見られなかった。私だって168センチある、女子の中では高い方だと思っていたけど。

「…っ」

切れ長の茶色い目にスーッとキレイな鼻筋、色っぽい唇に肌はツヤツヤでハーフかと思わされる…しかもすごいお顔がちっちゃい。

こんな男の子いるの?ってぐらい透き通っていて。

こんな人うちの学校にいたんだ…

「名前は?」

「え?」

「名前!」

「え…小椋南乃、です」

わかもわからず名前を答えた、圧倒されちゃったから。

あまりに上から言われるし、この人どんだけ背高いんだろ…

「ナノ」

え、急に呼び捨て!?
というかこの人って、もしかして今ヘリコプターで来た人?

メガネかけてやっと顔を認識できたんだけど、この人がヘリコプターから降りて来た人なの?

「俺は田所一成(たどころいっせい)

「あ、はいどうも…」

手を差し出され握手を求められたから、そこは挨拶かなって手を出した。

にしてもすごい人だなぁ、ヘリコプターで来たことも目立つのに立ってるだけでこんなに目立つ人っているんだ。こんな人とはなるべく関わりたくないかも、高校生活穏便に暮らしたいっ


「俺の専属モデルになれ」


ぎゅっと手を握られた。もう離してはくれない強さで。