廊下側の窓から顔を出した、ただそれだけなのにオーラがすごい女の子たちがキャーキャーと声を出した。

「ナノ…いねぇの?」

「……。」

キョロキョロ~っと教室を見渡す、メイド服の格好をした女の子たちを順番に見ながら…

「ナノは?」

実彩子に聞いていた。

「え、南乃は…」

実彩子も目を泳がせてる。

そうだよね、まさか聞かれると思ってなかったよね。私もさすがに驚いてるもん、そんな会話が目の前で繰り広げられてて。

「ここにいます」

「……。」

田所一成が目を大きくした。実彩子が隣を指差したから。さすがに驚くよね、これは…

「お前いつからいたんだよ」

「ずーっといたよ!!」

この気付かれなさ…みんなで同じような格好をしたらまず気付かれない、即見失われる。

でもそれが私で、それで私はよかったの。
わからないぐらいがよかったの。

田所一成もわかったんじゃない?
私にモデルは相応しくないってことが。

「ナノ借りていいか?」

「え、…はいどうぞ!」

「よくないでしょ実彩子!てゆーかなんで私に聞かないの!?私に言いなよ!」