お茶や軽食の選定がとどこおりなく終わり、私は執務室をあとにした。
夕食まであと30分ほど。気分転換しよう。心が重いのは、きっと仕事で息が詰まったからだ。
私は王宮と塔を結ぶ渡り廊下へ足を運ぶことにした。ここは王宮に吹く風が穏やかに通り抜け、気持ちがいい。
階段を登り、渡り廊下へ足を踏み入れる。
「あ」
そこに先客がいた。
廊下の中央で手すりにもたれ、眼下の訓練場を眺めるルシウス様。私の足音に気付いたルシウス様がこちらを見る。
「ああ、ティアナ姫。約束も無しに会えるなんて、これは運命の出会いですね」
ルシウス様はパッと顔を明るくして言った。綺麗な笑み。そんな顔をして「運命」なんて軽く口にするから、私は簡単に舞い上がってしまう。
「運命、ですか?」
私の問いにルシウス様は笑みを浮かべ頷いた。
「ええ、そうです。俺はティアナ姫と結ばれる、いえ、姫を全身全霊かけてお守りする、運命の男です。俺の愛は女王にだって負けません」
夕食まであと30分ほど。気分転換しよう。心が重いのは、きっと仕事で息が詰まったからだ。
私は王宮と塔を結ぶ渡り廊下へ足を運ぶことにした。ここは王宮に吹く風が穏やかに通り抜け、気持ちがいい。
階段を登り、渡り廊下へ足を踏み入れる。
「あ」
そこに先客がいた。
廊下の中央で手すりにもたれ、眼下の訓練場を眺めるルシウス様。私の足音に気付いたルシウス様がこちらを見る。
「ああ、ティアナ姫。約束も無しに会えるなんて、これは運命の出会いですね」
ルシウス様はパッと顔を明るくして言った。綺麗な笑み。そんな顔をして「運命」なんて軽く口にするから、私は簡単に舞い上がってしまう。
「運命、ですか?」
私の問いにルシウス様は笑みを浮かべ頷いた。
「ええ、そうです。俺はティアナ姫と結ばれる、いえ、姫を全身全霊かけてお守りする、運命の男です。俺の愛は女王にだって負けません」