本来使う予定だった物資は届かなかった。けれどルシウス様が帝国中を駆け回り、北東諸国の絹を仕入れてきてくれた。そして、パッチワークの要領で大きなテーブルクロスを作成する提案をしてくれたのだ。

 どれもこれもルシウス様のおかげ。

 北東諸国の品物はまだ帝国にほとんど輸入されていない。それでもルシウス様は私のため、国民のために奮闘してくれた。本当に凄い方だと思う。

 このような調子で私はお茶や軽食など、次々に北東諸国のアイテムを紹介していった。
 最初に手配していたアイテムに劣らず、いえ、それ以上に素晴らしいアイテムが並ぶ。結果として、招待客も私も、そしてお姉さまも、大満足のお茶会となった。

 会が終わり、私は招待客を見送っている。
 みんなの満足そうな顔を見ると、とても嬉しい。

「ルシウス様を呼んで頂ける?」

 私は近くにいたメイドに告げた。この光景はルシウス様こそ見るべき光景だ。
 裏で片付けの指揮をとっていたルシウス様はすぐに私の元へやってきた。
 挨拶の合間に声をかける。