お姉さまの想いはとても嬉しい。でも今となっては、ルシウス様と作ったこの新しいお茶会も、かけがえのないものなのだ。

 今日は絶対に成功させたい。

 パーティードレスに着替えた私は、苦々しく窓の外を眺めるお姉さまの肩をたたいて、彼女の前でくるりと回って見せた。最後にとびきり可愛いポーズを取る。
 私のポーズにつられて、怒っていたお姉さまの口角がひくひく動く。お姉さまはたまらず笑みを浮かべた。

「ああ、もう! 可愛いなあ、もう!」

 お姉さまが仕方なさそうにため息をつく。

「ティアナ、本当に良いのかい、延期しなくて」
「はい、お姉さま。最高のお茶会にしてみせます!」

 お姉さまは私に弱い。私を大事に想うお姉さまを説得するには、私が楽しそうにする事が一番なのだ。
 私はお姉さまの手を両手で包みこんだ。そのままニコッと微笑みかける。

「ですから、お姉さまも早くお着換えください」