その衝撃たるや、めまいがして倒れそうだ。のぼせているのかも。ルシウス様の熱い本心を知り、溶けてしまいそう。
 そんな熱に浮かされた私の目を覚ますように、執務室の扉が開いた。

「ただいま戻りました、ティアナ姫! 新しいプログラムの策定にかかりましょう!」

 入ってきたのはルシウス様だ。外での仕事を終えた勇者様の、堂々たる凱旋である。
 ルシウス様はブロンドの髪をなびかせ、彫刻のように美しい顔にはうっすら汗がにじんでいた。急いで来てくれたのだろう、私の元へ。
 高鳴る鼓動を抑えきれず、私は勢いよく立ち上がった。

「ルシウス様! ありがとうごさいます。こんなに短時間ですべて手配してしまうなんて、本当に助かりました」
「ティアナ姫。このルシウス・マーシャル、姫のためならこのくらい、なんでもございません」

 ルシウス様は私の前にひざまずき、私の右手を取った。