「えっ、ごめん。馴れ馴れしかった?」


「別に…名前で呼ばれるの好きじゃないから」


「ああ、そっか」

早川はそれ以上は追求してこない。

これが普通だ。空気を読んで一歩引く。

それなのに、


「え、なんで?陽奈美って良い名前だと思うけどな」


コイツは聞かれたくないところをついてくる。


その目でわたしを見ないでよ。


「まぁ、まぁ、春馬。細かいところは気にするなよ」

「うおっ」

ヘラっと笑いながら早川は春馬の首に腕を回した。