無視して立ち去ってやろうかと思ったがそれよりも先に望月が口を開いた。

「吉野さんさっき体育に居なかったよね?保健室行ってたの?休むときは誰かに連絡してね」

な!

誰かに連絡してってはぁ、これだから優等生は。

当たり前みたいに言うけどこっちにはその誰かなんていないっつーの!


「委員長さんは大変だね。クラスのみんなを管理しなくちゃいけないものね」

嫌味ったらしくわたしは吐き捨てた。

たまには困れよ、優等生。


「そんなことないよ、吉野さんが心配だっただけだよ」


曇りなき眼で返された。


うう、やりづらいな。


この声が瞳がわたしの居心地を悪くさせる。


「別にめんどくさくてサボっただけだから、すみませんでした」


わたしは真っ直ぐな彼とは違い捻くれた態度をとった。

そこでわたしはハッとした。


やってしまったと。