「い、いらないよ……!」

「はいはい、がんばれご主人サマ〜。
食べないと血が美味しくならねーぞ。

ん、食べたな」


王史郎の指により、私の口に押し込まれたトマト。当たり前だけど、さっきと同じ味。いや、少し甘いかも?


「むむぅッ!?」

「ハハ、すげー顔」

「〜っ!」


咀嚼すると、やっぱりさっきと変わらない味が口に広がる。わー、やっぱり酸っぱかった!

キッと王史郎を睨む。私がこんなになってるというのに、当の本人は知らんぷり。

のんきに「カレーうま。さすが俺」と、自分の料理に太鼓判を押していた。