「王史郎は、嫌いな食べ物ないの?」

「……ない」


その間は、なに?
気になるじゃん。

まさか私と同じで野菜が嫌いとか?はは~ん。それがバレたくないから、だんまりってわけだ。

でも王史郎の次の言葉で、危うくひっくり返りそうになる。


「でも俺はトマト好きだぞ。ついでに人の血もな」

「ち、!?」


そうだよ。普通すぎて忘れるけど、王史郎は「吸血鬼」。吸血鬼の好物は、人の血だ。

……ん?

そういえば私、王史郎と一緒に住んでるわけだけど。


「どーした?」

「な、なんでもないッ」


王史郎って、私の血を飲むのかな?



☪︎·◌˳𓇬‬