どこへ行ったのかな?
っていうか、イオは学校に通う生徒なの?
目立つ顔ばかりに目がいっちゃって、何を着ていたか全然覚えてない。
「ねぇ、王史郎」
「ん?」
家に着き、王史郎に降ろしてもらう。
学校から家に帰るまで、王史郎は一度も私を降ろさなかった。重くなかったかな?体重がバレた気がして、恥ずかしい。
「イオくんとは、ずっと仲が悪いの?」
「いや?仲悪くないけど?」
「へぇ、……え?」
そんなバカな。絶対仲が悪いよ。
王史郎、イオくんの顔を見なかったの?
すっごい数のムカムカマークだったよ?
「イオくんに命を狙われてるって、本当?」
「俺に遊んでほしいだけだろ」
「いや、あの目は本気だったよ!?」
「? そうか」
あっさり言ったきり、他に何を言うでもなく。王史郎は冷蔵庫を開ける。
何をするかと思えば「今日の晩メシ何にしようかなー」と、まるでお母さんだ。