どうやら男性は指輪をはめているらしい。それが街灯の光を、キレイに反射させていたようだ。
指輪の台座に乗っているのは、青い宝石。しかも大きい。
あれって本物?もし本物なら、いくらくらいするんだろう。
「よければ来るか?」
「え?」
「俺の家。そもそもが大きいのに、いま家族は海外にいるんだ。だから部屋は空きまくり。もし俺たちの親がそれぞれ帰って来ても、二家族まとめて一緒に住めるぞ」
「それって、シェアハウスってこと?」
「そう」
それは……いいかも!
イギリスに発つ前は、私たち家族はアパートにいたんだよね。つまり、こっちに帰って来た時に家を探さないといけないって事。
その手間が省けるのは、お父さんお母さんも助かると思う。
「でも、あなたのお父さんお母さんに許可をとらなくていいのかな?」
「大丈夫。むしろ家族が増えたって喜ぶ。だから遠慮なく住めば?」
「じゃあ……よろしくお願いします!」
頭を下げると、「ん」と短い返事がきた。横顔を見ても、特に嫌がってる様子はない。
……「住めば?」って、本心で言ってくれたんだ。