「わ!」

「ごめんね、ケガはない?」

「……っ」


見上げて、固まった。なぜなら私がぶつかった男子が、とんでもなく美形だったから。

銀髪の髪に、紫の目。儚げな雰囲気が良く似合った、同い年くらいの男の子――こんな子、本当に存在するんだ。


「君、転校生の子だよね?もう授業はじまってるけど、迷子になったの?」

「いえ、友達の所に戻るところです」

「友達?」


コテンと頭を倒すしぐさがかわいくて。「はい」と返事しながら、私も真似して頭を倒す。

すると髪が肩から落ちて、私の首があらわになる。王史郎との契約の証、シルシがついている方だ。

ソコを見て、男の子が目を見開く。
同時に、ニタリと動く口。


「へぇ。相変わらず手が早いね、〝アオイシ〟は」

「え?」