「宝石が今まで強く封印されていたのか、何の気配もなかった。でもさゆが日本にテレポートした時から、宝石の存在が、色濃く吸血鬼界に充満した。

見えないけど、感じるんだ。
確かに宝石は存在する、ってな」


王史郎が言うには、私にはオーラがあるらしい。宝石を持ってる人からオーラが溢れ、それを感知されると吸血鬼に気付かれるんだとか。


「オーラを出さない方法ってないの?」

「ない。だけど、牽制することは出来る」

「けんせー?」


おもむろに、王史郎が私に手を伸ばす。何をされるのかと身構えると、私の髪をよけて首を露わにした。


「これを見ろ」
「ん?……あ!」


ポケットから鏡を取り出すと、首の左側に何か見える。

あれは、青い宝石?


「最強吸血鬼の通り名〝アオイシ(青石)〟。
青い宝石を武器に使う、俺のこと」

「ん?」