「……そ、そういえばさ!
私の中に何があるの?」

「は?」


顔の火照りを覚えて、急いで話題を変える。

「守る」とかなんとか、言われ慣れていない言葉を言われたから……恥ずかしい。

でも赤面してる場合じゃない!
まだまだ聞きたいことがあるし、頭を切り替えないと!


「自分の中にあるモノが何か、知ってるんじゃなかったのかよ」

「すみません、知りませんでした……」

「はぁ~」


ため息を吐く王史郎の目が、いつの間にか黒色に戻っている。吸血鬼モードじゃなくなった、って事かな。


「アンタの中に〝赤い宝石〟がある。その宝石を手に入れると、力が増強するって噂だ」

「つまり、強くなれるってこと?」

「そう。吸血鬼は弱肉強食の世界だからな。強くなって他を支配しようと、皆が宝石を狙ってる」

「でも私は今まで平和に過ごしてきて、吸血鬼とは無縁だったよ?本当に狙われてるの?」


「もちろん」と、王史郎。