「げ、眩しい……」

「そんなに眩しい?」


王史郎は、教室に差し込む日差しを手でガードする。それだけじゃ足りないのか、黒いカーテンをしっかり閉めた。

不思議がっていると、王史郎は最初に太陽、次に自分の青い目を指す。


「青い目は、眩しさを感じやすい。色が薄いから、太陽の光に弱いんだ」

「なるほど……あ、確かにイギリスにいた頃も、みんなサングラスしてた!」

「だろ?
っていうか、そもそも吸血鬼は太陽が嫌い」


んべっ、と舌を出す。
王史郎……こんなヤンチャな一面もあるんだ。


っていうか、吸血鬼って夜行性じゃないの?
こんな昼間に、堂々と動けるものなんだ?

吸血鬼の知識が、すごい勢いで増えていく。

勉強の事だったら右から左に流れるんだけど、なんせお題は吸血鬼。珍しいジャンルに、私の物覚えは早かった。

二人で並んで座っていることに、どこかソワソワしていると、水道が目に入った。ゴクンと、うなる喉――今まで気づかなかったけど。叫んだせいか、かなり喉が乾いている。