☪︎2滴➼契約成立?主になりました
光った紐が王史郎の首に回った瞬間。
王史郎の態度が、一変した。
『他の吸血鬼にやられた瞬間、アンタの中身は俺が頂く。それまで暇だから、見学させてもらうわ』
こんなヒドイことを言っていたのに。
いざとなったら私を助け、守ってくれた。
『こんな奴らにお前を渡しはしない。静かに見てろ。絶対に動くな。
お前に傷がつくのは、見てられないからな』
『俺のご主人サマに、手を出すな』
本当に、同一人物なの⁉
そう思っちゃうくらい人格が違った。
思えば、自分に紐が巻き付いた瞬間、王史郎はかなり焦っていた。〝顔が青ざめていた〟とも言うけど。
あの紐は、一体なんだろう?
――生徒(吸血鬼)の全員を、無事に気絶させた後。
私と王史郎は授業どころではないので、近くの空き教室にお邪魔する。理科の実験室だ。キレイに並んだフラスコやビーカーが、揃って私たちを見つめている。