「え……」


王史郎は、数多の生徒たちに、手をかざす。
あ、もしかして手からビームが出るとか⁉

だけど王史郎の手から出たのはビームではなく、宝石で出来た輪っか。

小さな青色の宝石だ。それが二十、三十に連なって、一つの輪っかになっている。

ピカピカだ。太陽の下にいるせいもあって、反射が眩しくて目をつむってしまうほど。

それも計算の内なのか。目を瞑った生徒に、輪っかを順に投げていく。すると生徒は腕ごと輪っかに縛られ、次々に地面へ転がった。


「す、すごい……っ」


次々に輪っかを生み出す王史郎。無駄のない動きで、この場をすぐ丸く収める。いま立っているのは、私と王史郎だけ。


「ふー……」


一仕事終えた、と言わんばかりに。王史郎の口から、たまった息が吐き出される。

そして生徒たちの呻き声に、ゆっくり声を重ねた。


「俺のご主人サマに、手を出すな」



‪‪‪☪︎·◌˳𓇬‬