「ちゃんと私を、守ってよ!」
「!?」
私の発した言葉が、光る紐となって宙を泳ぐ。
どこへ行くかと思えば、目の前にいる王史郎の首をグルリと一回りした。そして輪になった後、いっそう光って消え失せる。
「なに、今の?」
「最悪だ……!」
何が何やら、ポカン顔の私。
かなり青い顔した王史郎。
どうやら王史郎にとってマズイ状況になったらしいのは分かった。でも私がマズイ状況にあるのも、変わらない。
結局、王史郎は私を助けてくれるの?くれないの⁉
「ねぇ、王史郎!」
「……下がれ」
「え?」
さっきまで遠くにいた王史郎が、一瞬で移動する。まるで守ってくれるように、私の前へ立った。
「王史郎……?」
「こんな奴らにお前を渡しはしない。静かに見てろ。絶対に動くな。
お前に傷がつくのは、見てられないからな」