「ふっ、分かってるって」

「……なら、いいんです」


朝日+イケメンの笑顔って、眩しい。抗えない威力がある。王史郎のキラリと光るピアスが、王史郎の魅力をさらに増しているし。

そう言えば、今日は指輪してないんだ。
そりゃそうか、これから学校に行くんだもんね。


「っていうか王史郎の朝ごはんってそれだけ?もっと食べなよ、お腹減るよ?」

「俺はいい。別の時間に食べてるから」


別の時間に早弁してる、ってこと?
王史郎の意外な一面に、クスリと笑みが零れる。


だけど、私は知らなかった。


王史郎の「食べる」という意味が、まさかアレを意味していただなんて――



「イギリスから帰ってきました。
宇佐美さゆです。よろしくお願いします」


あの後、無事に学校に着き、クラスでの自己紹介が終わる。

なんとか、ミッションクリア。
まだ九時なのに、もう一日分疲れた。