その時、僕は宙に浮いていた。





「やっぱり、奇麗だ・・・・・・」






僕は、今、ここにいる。







「もう、いいかい?」



「まぁだだよ」



「もういいかい?」



「もういいよ」




僕は、神社の境内にある樹の影に隠れていた。



鬼が近づいてきているのが、足音でわかった。




僕は、静かに走り出した。




その時、小枝を踏んで折ってしまった。




―――パキッ!!





音がしてしまった。





僕は、焦って速足で走った。




「だぁーれだ。そこにいるのは」




鬼が、近づいてくる。





僕は、その瞬間、転んでしまった。



そして、上着のポケットから小銭が、舞って賽銭箱にちょうど



入ってしまった。




その刹那、僕は宙に浮いていた。




目の前には、丸い青い地球があった。





「やっぱり、奇麗だ・・・・・・」




僕は、今、ここにいる。










     END