ヘリヤさんの笑顔を見て、私はハッとした。

 なぜなら、彼女の笑顔を初めて見たから。

「……っ、心配をおかけしてすみません……」

 私はどれだけ、周りの人たちに心配をかけていたんだろう……。

「いいえ。突然見知らぬ世界に召喚されたんです。そりゃ誰だって不安になりますよ。だから私は、ヒナタ様が安心してお過ごしになるように、お手伝いさせていただきたいのです」

「ヘリヤさん……!」

 私はヘリヤさんの言葉に感動した。

 こんなに優しい人に心配をかけちゃいけないよね。これから気をつけなきゃ。

「あの、私オリヴェル様と一緒に食事をとる約束をしているんです。準備が終わったら、呼びにきてもらっても良いですか?」

 丁度今は午後の三時ぐらいだろうから、夕食の時間までここで過ごさせてもらおう。

「神官長様とお食事を……!? はい、もちろんです!」

 私がお願いすると、ヘリヤさんは嬉しそうに、こくこくと頷いて了承してくれた。

「あ、そうだ。あの、もしお茶とかお願いしたい時はどうしたら良いですか?」

「その時はこちらのベルを鳴らしていただけますか。厨房に知らせが届きますので」