「よし! 次来る時はサンドイッチかクッキーを持ってこよう!」

 もともと本を読むのが好きだったし、探せば小説だってあるかもしれない。

 しばらくはここで過ごさせてもらって、どこにどんな本があるのか、覚えておいた方がいいだろうな、と思う。

「じゃあ、どの本から読もうかな……」

 私は持って来た本から、絵が多そうな本を一冊選んで読み進めていった。

 その本には世界地図も載っていて、見慣れない大陸や島の配置に、ここが本当に違う世界なんだ、と実感する。

 世界地図が載っているってことは……この世界はかなり文明が進んでいるのかな?

 それに神聖力という未知の力があるなら、魔法もあるんじゃないかな?

 知りたいことが多過ぎて、時間がいくらあっても足りないかも。

「あ……お腹がすいてきちゃったや……」

 さっきまで食欲が無かった私だけれど、食べ物を安全に食べれる方法が見つかったことや、好奇心が刺激されたことで、食欲が戻ってきたみたい。

 ヘリヤさんに何か持ってきてもらおうかな……と思っていると、扉の方からベルの音がした。

「えっ?! な、何……?」