私をみつけたオリヴェルさんは、その位置を<印>で記録すると、召喚の魔法陣を描いて私をこの世界に喚んだのだと、嬉しそうに教えてくれた。

「だからって、勝手に喚ばれても困ります!! お願いですから私を元の世界に帰してください!! 喚べるのなら、帰すことも出来ますよね……?」

 オリヴェルさんにとって、大聖女だったというリーディアがどんな存在だったのか、私は知らないし、憶えてない。

 ものすごく苦労して苦労して、リーディアの魂を見つけたんだろうけど、私に記憶がない以上、それはただの迷惑行為だ。

 だからオリヴェルさんには申し訳ないけれど、元の場所へ──きーくんがいる世界に帰りたい、と切に思う。

「……それは出来ません。私が印をつけたのは貴女の”声”ですから。目印がなければ、その世界を辿るのは不可能でしょう」

「そんな……っ!」

 微かに抱いていた期待も希望も、残酷な一言で、無惨に打ち捨てられてしまう。

 ──もう二度と、きーくんに会えない……?

 私はオリヴェルさんの言葉に絶望する。