それなのに、私の決死の想いは、言葉にならないまま光に溶けて。

 何かに気付いたきーくんの瞳が、大きく見開かれる。

 その視線は、私の足元で光る魔法陣のようなものに向けられていて。

「──ひなっ!!!」

「きーくんっ!!」

 と同時に、ひどく驚いたきーくんが私に向かって必死に手を伸ばすけれど、光に遮られて届かない。

 私は突然光に包まれてパニックになる。

「えっ?! 何これっ!! きーくんっ!! きーくんっ!!!」

 必死にきーくんを呼ぶけれど、だんだん光は強くなって、私の視界を真っ白に染め上げる。

「眩し……っ! 何これっ!!」

 何も見えないけれど、私の中から何かが溢れ出す感覚がする。

 もう何が何だかわからなくて、早く光が止みますようにと祈ることしか出来ない。

 そうして祈り続けてどれぐらい経ったのか、気が付けば光の奔流は止まっていた。






 いつに間にか気絶していたのか、倒れていた身体を起こすと、手にひんやりとした石の感触を感じる。

「え、これ……石畳?」
 
 だけど私の視界はまだ戻っていないらしく、自分の手がぼんやりとしか見えない。