もしかして、ずっときーくんは気持ちを──本性を隠していたのかな……?

 だけど私はまだきーくんから「好き」だと言われていない。

 って言うか、きーくんは私じゃない人をずっと想っていると思っていたけど、もしかして私の勘違い……?

「……そろそろ行こうか。ご飯が遅くなっちゃうし」

 黙り込んでしまった私を気にしながら、きーくんが買い出しに行こうと言って立ち上がる。

 だけど私はこの機会に、きーくんが誰を好きなのか、はっきりさせたいと思う。

 ──そう。これはチャンスなのだ。

 私はこのチャンスを逃すまいと、覚悟を決める。

 本当は別れ際に告白するつもりだった。じゃないとずっと気まずくなると思ったから。

 でも今なら……きーくんの言動から察するに、私の告白は成功しちゃうんじゃないかな……なんて欲が出てしまったのかもしれない。

「きーくん! 待って!」

 私は歩き出したきーくんを呼び止めた。

「え?」

 立ち止まったきーくんに、私はずっと伝えたかった想いをぶつけようとした。


「私、きーくんのことが──……」