──ついに私の誕生日当日がやってきた。
二十四時間後の私はどんな顔をしているだろう……?
たとえ想いが届かなかったとしても、笑顔だったらいいな、と思う。
私は用意していた服に着替えると、少しクセがある髪の毛をゆるふわにまとめた。
いつもよりフェミニンな雰囲気になるよう頑張ったし、大人っぽく見えたらいいけど。
「じゃあ、いってきまーす!」
私は両親に今の姿を見られる前に家を出た。
いつもと違う、精一杯のオシャレをした私を見たら、きっと質問してくるだろうと思ったから。
待ち合わせの時間には早すぎるけど、待ちきれない私は約束の場所に向かうことにする。
待ち合わせた公園には藤棚があったはず。そこでのんびりきーくんを待とうかな、と考えた私は、近くのコンビニでお茶を購入した。
「やあ、ひなちゃん昨日ぶり。今日もかわいいね」
「えっ?! 宇賀神さん?!」
コンビニから出た瞬間、目の前に宇賀神さんが現れた。
まさかこんなところで会うなんて、とびっくりする。
”鬼神”の総長である宇賀神さんは、そう簡単に会えるような人じゃないのに。