もし幽霊だったとしても、霊感ゼロの私に霊の姿は見えない。

 しばらくの間、部屋におかしいことはないか見張っていたけれど、それからは何も起こらなかったから気のせいだろう、と思うことにした。




 そうしている内に両親が帰宅し、一緒に晩御飯の準備をすることに。

「あ、明日はきーくんの家でご馳走になるから、晩御飯は用意しなくていいよ」

「あら、本当? じゃあ、お祝いのケーキはどうしよう?」

「今回はなくていいよ! また来年もあるだろうし」

「そう? ちょっと残念だけど、仕方ないわね。ご迷惑にならないようにね」

「うん、もちろん!」

 一緒に誕生日を祝えなくて、お母さんは残念そうにしていたけれど、きーくんの家にお邪魔することは許可してくれた。

 晩御飯を食べ終え片付けを手伝った後、お風呂に入った私は明日に備えて早く眠ることにする。

「ああ〜〜楽しみだなぁ〜〜!」

 明日のことを考えると、ワクワクし過ぎて眠れないかもしれない……なんて思ったけれど、寝つきがいい私は目を閉じた途端、深い眠りに落ちていった。

 ──明日、何が起こるのか知る由もなく。