でもそれなら、みんなに失恋したって打ち明けて、いっぱい慰めてもらうのもいいかもしれない。

「じゃあねー! また連絡する!」

「ほなねー!」

「みんな気をつけて帰ってね」

「うん! またね!」

 私たちは朝集まった集合場所で別れた。

 いつでも会えると思っていても、この瞬間は少し寂しいな、と思ってしまう。

 私はみんなを見送った後、慌ててLIMEでメッセージを送る。

 >心配かけてごめんね。今から帰るからちょっと待ってて

 ここから私の家まで急いでも十五分はかかる。
 もしかするともうきーくんは私の家で待ってるかもしれない。

 早く帰ろう、と踵を返した時、私の耳に馴染みある声が届く。

「──ひなっ!!」

「え……っ、きーくん?!」

 声の主は大好きな幼馴染のきーくんで、ここまで走ってきたのか、珍しく息を切らしている。

「……良かった。すれ違いにならなくて」

「大丈夫? もしかしてずっと走ってきたの?」

「うん。だってひなが心配で居ても立っても居られなかったから……」

「……っ!! あ、ありがとっ、心配してくれて……っ!」