「ひなが”鬼神”の総長らと仲ええのはわかったけどやー。なんで来てくれるってわかったん?」
「あ、それはね。街中に”鬼神”の関係者がいて、街の状況をみんなで共有してるんだって。だからチンピラに絡まれてる私たちに気付いた人が、情報を流してくれたんだと思う」
きーくんの誤解が解けた後、宇賀神さん達はきーくんをすごく気に入っていた。
”鬼神”に入らないか、と勧誘されたていたけど……その時きーくんは誘いを断っていたのを憶えている。
それなのに、いつの間にかきーくんは”魔王”と呼ばれるようになっていて、宇賀神さん達と対等──ううん、それ以上の立場にいる……ような気がする。
だから宇賀神さんたちは、きーくんの幼馴染である私の面倒を見てくれているんじゃないかな……なんて。
「ほぇ〜。最近の暴走族って情報戦までするんや。ハイテクやね」
「じゃあさ、最近見かける不良たちもやっつけてくれるかなぁ?」
優希ちゃんが期待いっぱいに目を輝かせている。
確かに強面の人がうろうろしていたら落ち着かないだろうし。