「ふふっ、了解。じゃあ、コイツらはこっちで引き取るよ」

 宇賀神さんは楽しそうに笑うと、パチン、と指を鳴らした。

 すると、いつからいたのか、”鬼神”のメンバーらしき人たちが現れて、気絶してるチンピラ共々どこかに運んでいく。

「あ、テツさんも颯汰さんも助けてくれて有り難うございました」

 私はイケメン二人組──宇賀神さんの右腕である、石川 哲也さんと、中島 颯汰さんにお礼を伝える。

 二人が助けてくれなかったら、私と友達たちは酷い目にあっていただろうから。

「気にすんな! 最近運動不足だったから良い運動になったし! 頑丈そうなサンドバックが四つも手に入ったし!」

 テツさんが嬉しそうにしているけれど……サンドバックが何のことかは、怖いから聞かないでおこう、と思う。

「まあ、俺は何もしていないけどね。それに、ひなちゃんが目立つ場所を歩いてくれたから、メンバーもすぐ気付く事が出来たんだし」

「それでもこうして来てくれて嬉しかったですし、気付いてくれて本当に良かったです! 皆さんにもお礼を伝えてください!」